
現役のアスリートは引退後のことを考えずに、競技に集中すべき!?
一昔前であれば、指導者から「将来のことは考えず、今だけに集中しろ!」と叱咤激励を受けた経験があるアスリートの方も多いのではないでしょうか?その言葉に従い、ひたすら競技に打ち込んできたという方も少なくないはずです。確かに、競技に集中し、日々の練習や試合に全力を尽くすことは、トップアスリートを目指す上で欠かせない大切な要素です。
しかしながら、「競技に集中する」ためには、精神的にも環境的にも不安要素を減らしておくことが重要です。特に、現役アスリートが心の中に抱える不安の中でも大きな割合を占めるのが、「引退後の人生」への不安ではないでしょうか。将来の生活や仕事に対する見通しが立たないままでは、どこかで心のブレーキがかかってしまうこともあるかもしれません。
下の図表は、NPB(日本野球機構)が毎年秋に実施している、若手プロ野球選手を対象とした進路に関する意識調査の結果を示したものです。この調査によると、「引退後の生活に不安を感じながら競技生活を送っている」と回答した選手は約40%にのぼっています。さらに注目すべきは、「引退後の進路について特に考えていない」と回答した選手が、40%以上も存在している点です。すなわち、「不安はあるけれど、引退後のことはまだ考えたくない、あるいは考える余裕がない」という現実が浮かび上がっています。

どのアスリートにも、いつか必ず「引退」の時は訪れます。そして多くの場合、アスリートとしての人生よりも、引退後に続く社会人としての人生の方がずっと長く続くのです。それを踏まえると、「本当に現役の間は、競技のこと“だけ”に集中していれば良いのか?」という問いは、今あらためて見直されるべき課題ではないでしょうか。
キャリアデザインプロジェクトは、そうした問いに対する気づきのきっかけを届けるとともに、引退後のキャリア形成、いわゆるセカンドキャリアの構築をサポートすることで、現役生活そのものもより豊かに、前向きに送れるよう応援しています。