
体育会系・アスリート人材にどのような印象を持っていますか?
学生時代や社会人になってから、部活動や競技スポーツに真剣に取り組んできた、いわゆる「体育会系」の人材について、皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか?
「体力がある」「根性がある」「協調性がある」「上下関係がしっかりしている」といったポジティブな評価をされることも多く、実際にそのような特性を備えた人材が多いのも事実です。ひとつの競技に何年にもわたって取り組む中で、目標達成に向けた努力やチームワーク、礼儀などを体得してきたアスリートは、社会に出たあとも大きな可能性を秘めています。
しかし一方で、そうしたアスリート人材、とくに社会人アスリートが引退後に一般企業へ就職した場合、その離職率が同年代の一般人材と比べて高い傾向にあるというデータも存在します。これは単なる偶然ではありません。
その背景には、アスリート側に「自らのキャリアを主体的に考え、選択する力(=自立心)」が十分に育っていないケースがある一方で、企業側の“体育会系人材”に対する先入観や過剰な期待が、実際の業務とのギャップを生んでしまうという問題もあります。たとえば、「アスリートは元気で根性があるから、どんな環境でも乗り越えられるはず」といった一面的なイメージが先行してしまうと、配属後にお互いが戸惑い、ミスマッチにつながってしまう可能性があります。

もちろん、アスリートのもつ特性やポテンシャルは大きな強みです。しかし、その「強み」だけを根拠に採用を決めてしまうと、アスリート本人の適性や希望と乖離した配置となってしまうこともあり、「やはりアスリートは使いづらい」といった誤解を生んでしまうことさえあります。
そもそもアスリートと一括りに言っても、競技特性によって得意とするスキルや価値観は異なります。個人競技と団体競技、チームスポーツと対人競技、夏季・冬季競技といった違いによっても、培われる資質や強みには多様性があります。
だからこそ、アスリートを採用・受け入れる企業にとって重要なのは、履歴書だけではなく、彼らが歩んできた競技人生そのものに興味を持ち、理解しようとする姿勢です。その過程を通じてこそ、アスリートという存在が“ただの体育会系人材”ではなく、自社にとって唯一無二の人材であることが見えてくるはずです。