
なぜキャリアデザインプロジェクトはアスリートのセカンドキャリアサポートに取り組むのか?
長年にわたり競技に真剣に打ち込んできたすべてのアスリートにとって、避けては通れないもの――それが「引退」です。そして実際には、現役生活よりもその後に続く引退後の人生の方が、圧倒的に長いというのが現実です。にもかかわらず、現代の日本においては、アスリートの「セカンドキャリア」や「デュアルキャリア」に対する理解や支援体制は、まだまだ十分とは言えない状況が続いています。
たとえば、社会人アスリートとして現役を続けてきた選手が、引退後には新卒社員と同じスタートラインに立たざるを得なかったり、競技で積み上げてきた豊富な経験や実績が、社会に出るとほとんど評価されない――そんな事例は決して少なくありません。このような状態では、競技を長く続ければ続けるほど、むしろ引退後のキャリア構築が難しくなるというジレンマが生じます。その結果、今まさに競技に打ち込んでいるアスリートたちも、将来に対する大きな不安を抱えたまま日々を過ごさなければならない、という悪循環を生みかねません。
一方で、企業の視点に立てば、現在の日本社会では深刻な「人材不足」が叫ばれており、いかにして信頼できる人材を確保するかが重要な経営課題となっています。そんな中、アスリートは「困難に耐える忍耐力」「組織で成果を上げるための協調性」「社会人としての基本である礼儀や礼節」など、ビジネスパーソンとして必要な素養をすでに備えた、非常に魅力的な人材でもあります。

しかしその可能性を活かすためには、雇用する企業側にも「アスリートという人材特性」を理解する姿勢が求められます。適切な受け入れ体制や、職務設計、育成方針が伴わなければ、せっかくの人材も職場で力を発揮できないミスマッチが起きる可能性があるのです。
だからこそ私たちは、アスリートが築いてきた競技人生を最大限に尊重しながら、現役のうちから引退後のキャリアに備える支援を行っています。そして同時に、当プロジェクトに賛同いただいている企業の皆さまとともに、アスリートのセカンドキャリアおよびデュアルキャリアに関する知見を深めながら、相互理解を促進し、真に価値あるマッチングを生み出す取り組みを進めています。
私たちの活動は、単なるキャリア支援にとどまらず、アスリートの未来と企業の未来をつなぐ社会的な架け橋となることを目指しています。ともに新しい可能性を築いていきませんか?